岐路 parting of the ways 2005 5 31
岐路に立つ日本。
少子高齢化が進む日本では、急速に社会構造が変わっていくでしょう。
このまま、社会が老いて行くのを傍観するのか。
それとも、急ピッチで少子化対策に取り組むのか。
あるいは、外国のように、移民を受け入れて、人口構造を維持するのか。
(移民は、人口構造を維持できても、日本社会を激変させる可能性があります)。
このように、三つの選択がありますが、
最悪の選択は、社会が老いて行くのを傍観することだと思います。
しかし、そういう懸念はあると思います。
こうした重要なテーマが、国会で、あまり議論されることなく、
時が過ぎていった経緯があります。
書評 book review 2005 5 3
書名 「人口ピラミッドがひっくり返るとき 高齢化社会の経済新ルール」
著者 ポール・ウォーレス
翻訳 高橋健次
出版社 相思社
低迷する個人消費、低迷する株価、低迷する地価。
こうしたものは、バブル経済の崩壊が原因で、傷口さえ治れば、
(つまり、過剰な設備、過剰な債務、過剰な雇用が改善されれば)、
日本経済も、元に戻ると考えていませんか。
しかし、三つの過剰と言われた「設備、債務、雇用」が改善しても、
日本経済は、さえない状態が続いています。
みんな、バブル経済の崩壊という「外傷」に目を奪われていますが、
もっと根本的な問題が潜んでいませんか。
それは、「人口ピラミッドがひっくり返る時」です。
日本経済も、日本の社会制度も、人口構造がピラミッド型であることを前提として、
成り立っているはずです。
そのピラミッドが、ひっくり返る時、どうなるか。
この本は、日本の将来を、少し悲観的に考えていると思います。
しかし、たとえ人口が減少しても、
一人一人の教育水準や知的水準が上がれば、人口減少分を補えると思います。
そういうわけで、娯楽やファッション、グルメに夢中になっている場合ではありません。